自転車男爵の旅ブログ

このブログでは自転車男爵の旅のお話を綴ります。

【DAY129-133】テキサス州 -後編- part1 <自転車アメリカS断記> Del Rio, Langtry, Sanderson, TX>

どうも!全力20%のヒューです!

 

いよいよテキサス州後編!

ちょっとあまりにも長いため、後編パート1とパート2に分けたいと思います!

 

そんなわけで、テキサス州後編パート1!!

ということで、僕は今、テキサス州最後の街

エルパソに来ています。

 

中編のブログではHill Countryについて書きましたが、Hill CountryのあとはFar Westと呼ばれるエリアに突入します。

 

Hill Countryは終わったことだし、ここからは平らな道が待っている。。。そう思っていたのですが、予想とはだいぶ違いましたw

 

まずHill Countryを抜けた直後、夜Brackettville に着いて野宿できるところを探すため(情報収集)にレストランで夕飯を食べることにし、そこのお店で店員さんと話をしていると「ここから先は砂漠の景色よ!」ということだった。

 

あれ?俺砂漠ってもっと先だと思ってたけど、そうなのか?

なんて思いながら翌日BrackettvilleからDel Rioに向けて出発!

 

Del Rioという街はメキシコとの国境線沿いにある街で、僕らの旅では初の国境線。

(丸印がDel Rio)

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丸印の手前がBrackettville。ここらの景色は平!

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Hill Countryの終わり、そしてBrackettvilleのあたりからはエアプラントのようで、様子が違う植物が現れ始めました。

 

その名もMistletoe!日本語で言うとヤドリギ
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このヤドリギはエアプラントと違って緑であり、そして木に乗っかっているのではなく、木から生えてくるパラサイト。寄生植物とのこと。

なので、ヤドリギが木についてしまうと、その木は弱っていってしまうのだとか。

ちなみに2枚目のヤドリギの景色はHill Countryが終わる直前の写真。

次の写真はHill Countryを抜けた直後の写真。
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Del Rioまで何十キロもこの景色が続き、この日はComstockと言う街まで行く予定だったのですが、Del Rioのお店で、「Comstockで野宿できるところはないよ」と言う話を聞き、Del Rioを少し過ぎた後にある国が管理するキャンプ場で一泊することに。

 

Del Rioで情報をくださった方は今車でアメリカを旅している最中ということで、ナショナル(国立)パークやステイツ(州立)パークを巡っているとのことでした。

ところが、みなさんニュースでご存知かもしれませんが、トランプ大統領が「国境線沿いに壁を作ることを認めるまでFederal(連邦政府)を一部シャットダウンする!」という宣言からナショナルと名のつく設備はほとんどが閉鎖されている状態。

 

その間予算もおりないため、Federalで働く人たちは給料ももらえない、そして出勤が禁止されるという事態になっているとのことで、ナショナルパークも普段ならテント張るのにお金がかかるところ、金を払う相手もいない状態。尚且つ、キャンプ場にあるトイレや水なども止められている状態。

 

アメリカではFederal(合衆国、連邦)の法律と別にStates(州)の法律がある。

それと同じでFederalの管理施設と州の管理施設が存在する。

電気や水道、ゴミ業者、などなど、それぞれ会社(ビジネス)が管理しているものも多いため、Federalがシャットダウンしても各州はそれほど影響なく生活出来るようになっている。逆に、州の政府がシャットダウンしてしまった場合にも、Federalや企業たちが補えるようになっているため、どこかがシャットダウンしてもなんとか国はまわるようになっている。

(と言っても給料をもらえない人が出てきたり問題は様々)

 

そんなわけで、Del Rioの公園でキャンプをするも、普段とは違う状況下でした。

 

公園には働いている人たちがいないため、RVで宿泊している人たちがボランティアでゴミの管理などをしていました。

 

このFederalは現在もシャットダウン中。今後国境線沿いに壁を作るか作らないか、今話題はここに集中しています。

 

今のところ、僕らが出会った国境線沿いに住む人たちの考えとしては、「壁を作る必要はないけどセキュリティを強くする必要がある」という意見が多いです。

トランプ大統領がいつまでFederalを閉じ続けるのかはわかりませんが、みんな今後の動きがどうなるのか気になっています。
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上の写真がFederalが管理するキャンプ場。

ここから見える景色は中々素晴らしかった。
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Del Rioから次に向かった街はLangtry。

 

Langtryという街はSaloon(サルーン)と呼ばれるバーがあるということで、楽しみにしながら向かう。

サルーンとは何かと言うと、よく西部劇に出て来る扉のあるバー。

ここのサルーン(バー)はジャッジが経営していたとのこと。

え?裁判官がバーを経営していたの?ってかじゃあバーで裁判をしていたってこと?

なんて疑問を持ちながら向かうことに。

 

Langtryへの道中にはたくさんの山羊を見かけました!

この写真は自転車に驚いた?山羊が一斉に反対側の山へ移動して行った時の写真。
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この辺りからはもう道は平ではありません。

地味ーにずっと登り坂。景色も岩山に変わっていきます。
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道を外れたところの地面は石と砂。ここはすでにチワワ砂漠の一部にあたるそうです。
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そしてしばらく行くと一気に景色は広がり、見える限り道は一つしかない。

US90というハイウェイが1本、それ以外は砂漠という景色になります。
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Del RioとComstockの間にはボーダーパトロールステーションというセキュリティチェックポイントがありました。違法移民かそうでないかをここでチェックされます。
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問題なく通過し、Comstockに着くと、なんとここから先はレストランもスーパーも83マイル(133キロ)先まで何もないわよとのこと。

Comstockという街も町民250人と言った小さな街で、運営しているお店は一つしかなかったw

 

Comstockを抜けると岩山の壁を通って、キャニオンの景色へと変わっていく。
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あたりは本当に何もなく、見えるのは地平線とキャニオン、砂漠、岩山のみ。

ここもずーっと地味に登り坂。
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そしてちょっと下り坂を体験したと思った直後に橋があり、大きな川と岩山の景色が広がっていました。
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美しいけど、こんなにあたりに何にもないと、トイレに困ります。(特に大)

そんな矢先に橋を超えたところで公衆トイレを発見!ラッキー!w
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こんな感じで夜も走り続け、Langtryでは以前いただいた情報からコミュニティーセンターでキャンプさせていただくことに。

 

朝、目覚めると霧がとにかくすごかった。

目の前にはこれまでの道中ではまだ見たことのなかった大きなサボテンが見られました。
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そして例のサルーンがこちら!

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今は歴史博物館として残されているサルーン。ジャッジ・ロイ・ビーンというジャッジが経営をしていたこのバー。

『銃の発砲、ナイフの使用、ケンカ、悪口を禁止する。そして何よりも床に唾を吐くことを禁止する』という看板が貼られており、発砲やケンカよりも床を唾で汚すことの方がいけない事という表現が面白いなと思いました。
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ロイ・ビーンはバーの後ろにビリヤードルームを持っていて、ここで賭け事などをしていたとのこと。こちらはその部屋にあるテーブルの脚。だいぶ立派です!
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このジャッジ・ロイ・ビーンはみんなから首吊りジャッジと呼ばれ、恐れられていたとのこと。しかしながら事実としては一度も首吊りを命じたことはないそうです。

そんな彼のペットはなんと熊だった!
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朝から実際に西部劇のような場面が起きていた建物の中でお酒を飲むふりなどしながら想像に思いをふける。

 

Langtryという街は現在町民たったの12人という小さな街。もはや村。

Comstockやこれから向かう街もそうですが、電車の止まる街として発展した街。

現在はこの博物館以外は何もない。静かーな街です。

晦日出発前にサボテンとお遊びショット。
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さらばLangtry!次に向かうはSanderson!
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少し登り降りがある道になってきましたが、まだまだ地味に登り続けます!
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ここLangtryは国境線沿いのすぐそこにある街。出発しながら南に見える山々はメキシコなのかと思いながら自転車を漕ぎ続けます。
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(こちらは自転車旅用の地図。キャンプできる場所や次のお店があるところまでの距離などが表示されています。)

 

しばらく行くとこれまたこれまでとは全く違う景色を発見!
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山山山!こんなに同じ高さの、見た目が同じ山が連なっている景色は見たことがない!
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近く付いていくと山に生えている緑のものは背の低い木々と草っぱと、ほとんどがサボテンかヤッカと呼ばれる植物!
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この左上に見えるYuccaと呼ばれる植物。

 

なんとユッカ蛾という昆虫に食べられないと子孫を残せないそうです。

 

ユッカの雌しべと雄しべは離れているそうで自然には受粉せず、ユッカ蛾を通して受粉するとのこと。

ユッカが成長し、花を咲かせると、ユッカ蛾が花に卵を産み付けます。

そして卵が孵化すると幼虫たちはユッカの種子しか食べないらしく、ユッカを食べることでユッカを受粉し、ユッカは内側からどんどん弱っていきます。

ユッカの種子はとても大きいらしく、幼虫たちも食べきることはないそうで、結果互いに子孫を残すことが可能なんだとか。

 

ヤドリギと言い、この辺ではパラサイト(寄生型)の植物が多いようです。


地平線の見える場所での夕陽はこれまた美しい!陽が落ちると空は満天の星。流れ星も見れました!
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Sandersonでは年越しだし、ちょっと贅沢しようということでモーテルに宿泊!
テレビではダラスでの年越しが放送されていました!
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モーテルの管理人はインド人で、お正月元旦にはインド料理でスタート!美味かった!
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Langtryと言い、Sandersonと言い、テキサスでは夜に自転車を乗り続けることが多かったため、朝起きた時の景色の違いに毎回驚かせられる。
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Sandersonという街はサンダーソンキャニオンという山々に囲まれており、360度見渡す限り岩山に囲まれていました。
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山に囲まれているため、この地域は他の地域と比べても夏は非常に暑いのだとか!
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Sandersonの次に向かったのはMarathon(マラソン)という街!

 

なのですが、続きはパート2で!

 

それではまた!