どうも!!全力20%のゆきおです。
みなさん大好き過ぎる元AKB不動のセンター、前田敦子さん。
前田さんがAKB卒業後、ニューヨークへ留学していたのは有名な話ですよね?
でも、彼女がなぜニューヨークへ行ったか、本当の理由ご存知ですか?
もしかすると……本当にもしかすると……僕が1ミリ程度、私が影響を与えているかもしれません。
「どういうことだよ、ゆきお!?」
「てめぇ、舐めたこと言うとぶっ⚫️すぞ!!」
ってみなさん思っていると思いますが、まぁまぁ落ち着いてください。
時代は2011年に遡ります。当時、僕はカルフォルニア留学から日本へ戻り、ニューヨークの短大を始めるために数多くのアルバイトをこなしていました。そんな中、私が登録していた日雇いアルバイトからメールが一通来ました。
報酬:1.5万円
業務内容:イベント管理
会場:幕張メッセ
悪くない条件だったので僕はその日雇いバイトを受けることにしました。
当日になり、会場へ到着すると、まだ朝7時だと言うのにアホみたいな数の人たちが会場周りをウヨウヨしていました。
「なんだ、なんだ!?」
と思っていると、日雇いバイトのマネージャーの合図がかかり、我々はぞろぞろと会場の中へ入りました。
会場の中央にデカデカと掲げられた垂れ幕には「AKB48!!ニューシングル、ポニーテールとシュシュ』と書かれていました。
そう、いわゆるアイドルの握手会のイベントだったのです!!!!
それまで僕はカルフォルニアで猛勉強をしていたので、AKBはおろか、握手会という存在すら知りませんでした。
確かに、見渡してみると、僕以外のアルバイトたちのメンツはオタク率がめちゃくちゃ高かったです。もうみんなニヤニヤが止まらなくてどうしよう!!というノリでした。
マネージャーは「はい、みなさん。お仕事ですので、ちゃんとすることしてくださいね。アイドルに話しかけたり、写真とったり、変なことしたりしたらダメですよ」とメガフォンで喋り始める。
他の日雇いサイトから集められて来たのか、他のアルバイトのグループがやってきました。総勢150人程度でしょうか。
そこで、外で案内する人、列を管理する人、と次々とグループが別けられました。最後になぜか我々だけのグループが残り、またマネージャーがメガフォンで喋り出しました。
マネージャー「あぁ〜。みんな運がいいね。はい、それじゃこのグループはチケットを切る係です!!」
何が運がいいのかまったく理解していませんでしたが、突然マネージャーと目が合ってしまいます。
マネージャー「あぁ、じゃ君は前田さんのブースで」
と言われ、僕は手渡された地図を辿って「前田敦子」と書かれたブースの前に立ちました。
この時、僕はまだ理解していませんでしたが、きっとマネージャーは僕があのグループの中でもっともアイドルに興味なさそうと感じて、僕を大人気アイドルグループのセンターの担当にしたのだと思います。
しばらくすると、AKBの事務所側の人が現れました。その男は真夏なのにマスクをしていて、マスクの隙間から肌荒れした皮膚が痛々しく見えました。絵に描いたような幸薄な新人社員でした。彼はマスク越しから下手な挨拶を私にして、もう今にも倒れそうな声で「今日は1日頑張りましょう……」と言いました。
時刻が午前9時に近くと、まるで合戦でも始まるかのように、スタッフたちが一同、キリッと持ち場について、正面の巨大なシャッターへ体を向けました。
自動販売機のゴミ箱はすでに栄養ドリンクの便で溢れていました。
時計の針が9時を指すと、巨大なシャッターが一斉開け始め、先ほどまで冷房が効いていた会場内に外の熱気がむふぁ〜〜〜と入ってきました。そして、シャッターが真ん中までくると、真夏の日差しが目をさし、シャッターの前で数時間待機していただろう汗だくのファンたちを照らしました。
シャッターが開けきった瞬間、熱風よりも早く、武将の首を狙う若い武者の如くファンたちが一斉に走って来ました。
「うぉおおおおおぉおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
まさに合戦でした。ファンたちが一斉に移動するので、地響きすら感じることができました。
(マジでこんなんでした(笑))
僕はその光景を楽しみながら「さて、みんなこのラインで止まってくれるだろう」と係の人たちが綺麗に設置したコーンを見ていたのですが、すぐに自分の甘さを後悔することになりました。
先頭のファンたちは、設置されたコーンのところで止まろうと急ブレーキをかけましたが、後ろからやってくるファンたちに押されて、そのまま私のところへ突進してきたのです。
「おぎゃくさまぁあああ。おさないでくださぃいいいいいいいいいいい!!!」
私は両手を広げて必死に汗だくのファンたちを押し返しました。
「きっとアメフトってこんな感じなんだろうな」
そして、ファンたちの後ろからは、さらにファンたちが押し寄せて来ているのが見えました。明らかに僕のブースをめがけてやってくるファンたちの方が他のブースよりも圧倒的に多かったのです(笑)さすがは大人気アイドルグループのセンター。次元が違う(笑)。
地響きが収まり、ファンたちの勢いが収まると、先ほどの幸薄な新人社員が「はい、では一人目の方」と首を絞められたニワトリのような声で案内をはじめ、ついに握手会がスタートしました。
CDを買うと、握手チケットが1枚もらえるはずなのだが、なぜかマグロのせりのようにファンたちは数枚のチケットを手で掲げて「わぁ〜〜〜、わぁ〜〜〜〜〜最初は俺が!!!!」と大盛り上がりでした。
ルールは、チケットは1〜3まで一度に渡すことが出来て、1枚であれば10秒程度、3枚であれば30秒程度、アイドルたちと握手をして会話することができるというモノでした。さらに、使用するチケットの枚数は選べて、例えば4枚チケットを持っているのであれば、2枚使って20秒楽しんだ後、また並んで1枚使って、10秒楽しみ、さらに最後にもう一回並んで10秒楽しむということも出来る仕組みでした。
その後、私と幸薄新人社員の二人で次々とファンたちをブースに入れて、アイドルと握手させて、仕事をこなしていきました。
そして、ついにあの瞬間がやって来ました。
握手会がスタートして数時間経った後、白人のおっちゃんが列の先頭に立っていました。どうやらおっちゃんは英語しか話せないようで、幸薄新人社員が「何枚使いますか?」と聞いても、おっちゃんは全く理解出来ていませんでした。おそらく、そもそもチケットの使い方の仕組みを理解していなかったのです。
僕はすかさずチケットのルールをおっちゃんに英語で説明すると、おっちゃんは元気よく「んじゃ今は2枚使うよ!!」と答えました。
そして、僕がブースの方を振り向くと、あの前田敦子さんと目が合ったのです(笑)。
前田さんは隔離されたブースの中から首を伸ばして、僕とおっちゃんの会話を見ていたようです。
ぶっちゃけちょっと「ドキッとしてしまいました(笑)」
なんだこの天使は!!
僕はあまりにも照れ臭いので、目線をそらして定位置に戻りました。握手の時間が終わり、おっちゃんがブースを後にすると、背後から「英語、上手なんですね!」という声が聞こえました。
「ん?」
振り向くと、その声の持ち主が前田さんだということが分かりました。
僕「あぁ……いえ……ありがとうございます」
前田さん「どこで覚えられたんですか?」
僕「えーと、ニューヨークに住んでいるモノで……」
※実際にはまだ住んでいませんでした。完全に見栄です(笑)
前田さん「ニューヨーク?わぁ、かっこいい!!私も行って見たい」
僕「あ、……う、うん……(言葉が出ない)」
幸薄新人社員「前田さん、次の方をお通しします」
前田さん「はーいっ!」
とまぁ、これだけです(笑)これで終わりです(笑)
こんなことが、かつてありました。
どうなんですかね?僕の一言が1ミリでも彼女の判断に影響を与えたんですかね?まぁ真相は前田さんのみが知るということで!!
それと、その握手会を気に、僕はアイドルというモノをがっつりリスペクトするようになりました。なぜなら、彼女たちは1日10時間ファンたちと握手し続けるという鬼のようなスケジュールを真夏の中、3日にも渡って行なったのですから。3日目でも、ダレることなく、しっかりと笑顔をファンたちに振る舞いてました。同世代として、彼女たちのガッツには驚かされました。すげーよ、ほんと。格闘技できるよ。
ちなみに、僕はその後、TV番組のADの仕事を半年間こなして、そのお金でニューヨークへ渡米しました。
おわり。